紛争の内容
A会社は、元取締役であったBから、「株式譲渡契約および解任を決議した株主総会は無効である」として、解任等にともなう損害賠償請求訴訟が提起されたことを理由に、弊所に相談・ご依頼に至りました。

交渉・調停・訴訟等の経過
当方は、A社の代理人として、以下の通り主張・立証を行いました。
各種手続きの有効性の主張立証:元取締役が自らの意思で同意し、株式譲渡契約書に署名・押印している事実を示すとともに、株主総会および解任決議の手続的適法性を事実に沿って立証しました。
会社資産流用に対する反訴提起:元取締役が在職中に会社の資産を流用していた事実を把握。クレジットカードの利用明細や領収書などを細かく精査し、具体化・特定した損害額に基づき、損害賠償請求の反訴を提起しました。

本事例の結末
その後、粘り強い主張立証を行った後、原告側から和解の打診を受け、最終的に双方の請求権を放棄する内容の和解が成立しました。これにより、会社側は元取締役からの金銭請求を一切免れる結果となりました。

本事例に学ぶこと
契約書・議事録の重要性:役員解任や株式譲渡といった重大な手続きでは、本人の同意を示す署名・押印入りの書面を適切に作成・保管しておくことが最大の防御策となります。また、当時の状況について詳細に主張立証することが重要です。
反訴提起による交渉力の強化:単に防戦に回るだけでなく、相手方の不正(資産流用など)を証拠に基づいて緻密に精査し、反訴を提起することが、自社に圧倒的優位な条件(請求免除等)での和解を引き出す強力な手段となります。

弁護士 時田 剛志
弁護士 安田 伸一朗