遅刻・欠勤をする社員への対応

遅刻・欠勤をしても、正当な理由がある、もしくは、遅刻・欠勤の程度や本人の反省などの諸事情によっては、解雇できません。また、裁判例を見ますと、遅刻・欠勤の程度が悪質であっても、会社が事前に個別の注意・警告、解雇より軽い懲戒処分をすることが必要と判断される傾向があります。
そのため、裁判に備えて、①遅刻・欠勤の状況を記録する、②個別の注意・警告、解雇より軽い懲戒処分などを書面で行なう、③口頭で注意した場合はその内容を記録する、というような対応が必要になります。

裁判で解雇が認められた例は、下記になります
 ・半月あまり理由もなく欠勤したケース
 ・タクシー運転手の無断欠勤が多く、配車に多大な支障をきたしたケース
 ・6か月間に計32日無断欠勤をしたケース

他方、解雇が認められなかったケースは、次の通りです。
 ・トラック運転手が数回の無断欠勤をし、反省の態度も乏しいが、欠勤は常習化しておらず、反省の態度が乏しいのも会社の対応に反発があるためというケース

なお、従業員が欠勤の届出をしても理由のない欠勤は、無断欠勤の一態様として解雇を検討すべき事例になります。その場合、上記のような裁判例に照らして検討します。

上司や会社を誹謗中傷する社員への対応

 上司に対する暴言・誹謗中傷は、注意をしても直らないなど程度によっては解雇事由になります。

そのため、解雇を行なう場合は裁判に備えて、①言動を記録する、②個別の注意・警告、解雇より軽い懲戒処分などを書面で行なう、③口頭で注意した場合はその内容を記録する、というような対応をされるのがよいかと思います。

 解雇を認めた裁判例としては、人事に対する不満を宴席でくり返し、自分の代わりにポストに就いた者を無能と中傷したため、懲戒解雇された例があります。この事案では、言動や態度を注意されると態度を硬化させ、誹謗中傷のみならず、勤務態度についても問題が生じたために、懲戒解雇は有効とされました。

解雇以外の懲戒処分・退職勧奨

問題のある社員について解雇が難しいときは、解雇以外の懲戒処分や退職勧奨という方法があります。

懲戒処分については、就業規則に懲戒の対象となる事由と処分の種類を明記する必要があります。また、対象の事由は具体的に定め、懲戒の種類も懲戒事由に見合わない過重なものとならないよう注意する必要があります。

退職勧奨は、在籍し続けた場合のデメリット、退職した場合のメリットについて説明し、対象社員からも意見聴取をし、退職勧奨に応ずるか否かにつき検討を求めます。 
なお、退職勧奨に消極的な社員に説得を続けることの違法性ですが、裁判例の一つとして、対象社員がさらなる説得を受けても応じないという意思が固く、その意思を使用者にはっきりと表明してその旨確実に認識させた段階で、以降の退職勧奨が違法と評価されると判断したものがあります。

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