Aには、理化学機器を製造する会社に勤務し、同社の株式を上場させるべく管理部長を務めたという経験があり、会社側は上場を目指していたのでAを採用しました。
しかし、採用後、Aには会社側が考えてほどのスキルがなく、また、勤務時間中にゲームや私的な旅行の手配をしたり、転職活動をしていること、また、業務用パソコンに私的なデータを大量に保存していることが判明したため、会社側はAを解雇しました。

その後、Aは、解雇無効と毎月の賃金の支払いを求めて労働審判申立を行い、私たちは、会社側の代理人となりました。Aの主張は、上記のような事実はない、給料の減額を要請されたことから、一度だけ、転職先となるかもしれない会社の情報を求めたことはあるというものでした。

裁判所は審理の結果、下記の事実があると認めました。
① Aがゲームをしているところを目撃した社員がおり、申立人のコンピューターには、ゲームの攻略法を調べていたデータがある。申立人のコンピューターには、旅行手配のためと思われるインターネットのショートカット、個人的な写真もかなりの程度保存されていた。
  
② 会社側はAを、「損益管理を徹底し、相手方の利益を増やす」という内容で雇用契約をした。しかし、退職した社員の代わりに派遣社員を雇い、200万円当事務所高額なソフトを購入した上、ソフトを使うためにオペレーターを雇い、更なる経費を負担させた。

しかし、裁判所は、このような事実があっても、解雇を正当化するまでの理由になるかどうかは疑問の余地があるという態度でしたので、結局、賃金の4ヶ月分を支払う、Aは解雇が有効であることを認めるという和解をしました。
最悪の結果は、解雇が無効となってAが職場復帰し、また、解雇から職場復帰までの賃金を会社側が支払うということですから、4ヶ月の賃金支払いで和解できたことは成功だったと思います。

解雇するには正当な理由が必要です。しかし、この判断は厳しく、上記の①②のような事実があっても、判決になると、なかなか解雇までは認めないということが多いです。実際には、上記の①はもっと酷かったという推測はできますが、それを証明する証拠を集めることは通常は非常に困難です。

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