当事務所が顧問契約をしている会社から、少し前に懲戒解雇をした従業員が労働組合に加入し、その労働組合から団体交渉の申し入れが来たという連絡がありました。

そこで、会社の担当者から話を聞いたところ、その従業員には、働く意欲が感じられず、行動に奇異な点があり、自分の上司・同僚と軋轢ばかり起こしていて、職場環境が非常に悪化したので懲戒解雇をした、その後、その従業員がいわゆるユニオンという労働組合(一人でも加入することができる労働組合)に加入し、その労働組合から団体交渉の申入れが来たとのことでした。

ユニオンでも労働組合には変わりありませんから、団体交渉を拒否すれば不当労働行為になってしまいます。そこで、その会社から委任状をもらい代理人となった後、労働組合と団体交渉を行いました。場所は、当事務所にしました。会社からの参加者は、人事担当の取締役、人事部長、(その従業員といっしょに働いていた)従業員です。

問題になったのは、懲戒解雇が有効か無効かということですが、ユニオンは、今回の従業員の行為は懲戒解雇事由にはあたらないし、また、訓戒、減給などの軽い処分から始めることなしに、いきなり懲戒解雇というのは手続に不備があると主張しました。これに対してこちら側(会社側)は、就業規則を示しながら、該当する条文を示して、懲戒解雇にあたる旨を主張し、また、上司が何度もその従業員と話し合い、様々なサポートをしたのにいっこうに改善しなかったのだから、手続きにも不備がないと主張しました。

このような話し合いが4回続きましたが、合意に達することができず、ユニオンから話し合いを打ち切る旨の連絡が来て、団体交渉は打切りとなりました。

労働組合から団体交渉の申入れが来た場合、団体交渉には応じなければなりませんが、労働組合の要求に応じる義務はもちろんありません。団体交渉の場では、労働組合から打切る旨を言い出さない限り、誠実に何度も交渉し、こちらからは打ち切る旨を言わない方が賢明です(そのようなことを言えば、団体交渉拒否するのは不当労働行為だなどと、労働組合に主張させる余地を与えることになります)。

この件は、その後、この従業員が労働審判を起こしましたが、理由は不明ですが、労働審判は取り下げになり終了しました。

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