紛争の内容
 依頼者は、中小企業でした。元従業員の代理人弁護士から未払残業代を請求され,裁判所に労働審判が申立てられておりました。その後,第1回の労働審判の前に,グリーンリーフ法律事務所の弁護士が受任しました。

交渉の経緯
 労働審判は,通常ですと,3回目の期日までに結論を出さなければならず,比較的無駄がなく,スピーディに進む手続です。したがって,第1回期日までに,労働者の労働実態等を十分に調査の上,有効な反論を加える必要がありました。実際の反論としては,資料と共に,労働時間(会社の指揮命令化にある時間)を争うなどしました。

本事例の結末
 第1回労働審判までに,でき得る限りの反論を加え,実際の審判にも,会社の社長のほか,詳しい経理担当者を同席させ,此方の反論が有効であることを適示した結果,元労働者からの請求から3割をカットし,さらに本件について口外を禁止する内容で和解が成立しました。

本事案に学ぶこと
 労働審判は,第1回目の期日が勝負となります。従って,会社側に立って戦う時は,第1回期日までに実態を解明し,必要十分な反論を立てておく必要があります。
労働審判手続では,当事者双方が互いに譲り合い,円満な解決を目指すことも出来ます。対立関係が顕著な場合にはあまり馴染みませんが,それ以外の場合には,訴訟よりも利用しやすい点は否めません。