紛争の内容
退職した元従業員の代理人から残業代の支払いを求める通知が届いたとのご相談でした。
請求書面を確認したところ、計算方法等から減額の余地があり得ると考えられましたので、交渉事件の代理人として受任しました。

交渉・調停・訴訟などの経過
元従業員の代理人に受任通知を発送するとともにこちら側でも残業代の計算を行うこととしました。
その中で、一定の未払残業代が発生すること、元従業員との間で争いがあるのは労働時間及び時間単価の計算であるということが具体的に明らかになりましたので、こちら側で行った計算を前提に元従業員の代理人と交渉を行うことにしました。

本事例の結末
仮に裁判になった場合にどのような認定になるか等を踏まえ、最終的に、元従業員が請求してきた金額から3分の1を減額した残業代を支払う旨の合意が成立しました。

本事例に学ぶこと
退職した元従業員から残業代請求がされるというケースは珍しくありません。
これは感覚的なものですが、その際に請求される金額は元従業員側に最大限有利な計算がされた結果であることが多く、減額の余地もそれなりに存在することが多くなっています。
本件同様、残業代請求において問題となるのは労働時間及び時間単価の計算が主ですので、使用者側の視点からそれらについて効果的な反論ができないかを検討することになります。

弁護士 吉田 竜二